さまざまなアーティストを迎えて展開するAfternoon Tea TEAROOM のテイクアウトパッケージ。今回の「TEA SEASON」シリーズは、ドローイングの他、シュガークラフトの制作でも知られる東ちなつさんが手掛けています。ご本人にアートワークにまつわるお話を伺いました。

Afternoon Tea TEAROOM(以下Afternoon Tea):今年も季節限定の紅茶フレーバーのチョコレートや焼き菓子を展開する「TEA SEASON」を迎えるにあたり、今回は東さんに、より紅茶が楽しくなるようなシュガークラフトのアートワークをお願いしましたが、最初にお話があった時はどう思われましたか?

東ちなつさん(以下東):パッとみた瞬間に「かわいい! 美味しそう! でもなんだこれ?」といった、見たことがないものへの驚きを感じさせるようなアートを作りたいと思いました。これが砂糖なのか、お菓子なのか、はたまた粘土でできているのか? 思わず気になって注視してしまうようなもの、そして明るく楽しい気持ちになるものを目指しました。

Afternoon Tea:色や形、雰囲気、すべてがかわいいシュガーアートですよね。以前2007年には、ティールームのクリスマスアイテムのために、メリーゴーランドの絵を描いていただいたのですが、その時の記憶がスタッフ達にずっと残っていて。今回またご一緒できてとても嬉しいです。

:ありがとうございます。今回はシュガークラフトの世界観でお茶の時間を演出したいとのご依頼だったので、前回とはまた雰囲気が違いますよね。作品を撮影していただき、その写真でデザインを組んでもらいました。完成品がめちゃくちゃかわいくて、心が踊りました!

Afternoon Tea:お客様にもこの楽しさを感じていただきたいです。ちなみに、シュガークラフト制作を始めたきっかけは何だったんでしょうか?

:私の出身地でもある石川県金沢市に砂糖でできた「金花糖」という伝統菓子があります。ひな祭りの時期に出回る砂糖菓子で、動物や野菜を型取り淡く色をつけた砂糖細工がかわいらしくて幼少期から大好きでした。大人になってからその金花糖を作る店や職人が減っていると知り、自分でオリジナルの絵付けをした金花糖を作ってみたいと思ったことがきっかけです。

Afternoon Tea:実際に金沢の職人さんにも会われたのですか?

:そうですね。お話を聞いたり、製菓のデコレーション技術を専門的に学べるスクールにも通いました。私にとっては、絵を描くキャンバスも砂糖も同じ白い素地で、絵画からシュガークラフトへとクリエイションの領域が広がったことは必然だったと感じています。

Afternoon Tea:繊細な作業なので、すごく難しそうですね。

:作っている時は柔らかいので、同じ大きさにしたり、崩さないようにするのは大変かもですね。でも、砂糖は土に還るという部分もいいなと思っていて…。私は普段淡い色の作品が多いのですが、今回はカラフルな雰囲気に。濃い色を出すのは難しかったです。

Afternoon Tea:商品を買ってくださったお客様にはどんな風に楽しんで欲しいですか?

:まず目で見て広がる世界を「かわいいな、楽しいな、どんな味なんだろう」と、ワクワクしてもらえたら嬉しいです。視覚で楽しんだ後に食べると味覚が何倍にも広がるような、感覚を豊かに満たす時間をお届けできればすごく幸せですね。缶や箱のパッケージが多いので、ティータイム後にも何かに活用できるはず。心地よく余韻が残るものとなったらこんなに嬉しいことはありません。

Afternoon Tea:東さんはどんなお茶時間を過ごしていますか?

:1人の時はお茶をゆっくり楽しみながら、アイデアの整理、読み物、書き物をします。目の前のお茶や甘いものに感覚が研ぎ澄まされて、思わぬひらめきや未来予想図が浮かんでくることもあります。今回「TEA SEASON 」シリーズで発売される『ティーカップショコラ』の試食もさせていただいたのですが、キャラメル、ストロベリー、アップルと、3種類のチョコレートを楽しめるのが贅沢でした。デザインもティーカップ型でかわいいし、それぞれの味に個性があってとてもおいしかったです。まさに紅茶のお供にぴったり!1人での制作時間が長いぶん、ティータイムは大切なリフレッシュタイム。私のライフスタイルに欠かせない時間ですね。

10/26発売