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手作りの雑貨的なリトルプレスから商業出版まで、カフェや雑貨、デザイン、暮らしまわりの本や雑誌の、編集と執筆を中心に活動。近刊として、旅のささやかで美しい瞬間を写真と文章で切り取った小さな本『Beautiful Moments』を自身の出版レーベルBOOKLUCK PUBLISHING roomよりリリース。
www.bookluck.jp |




ふだん、テロテロドレスなんかにゃ一瞥もくれず、
洗濯機でジャブジャブと思いっきり洗えるような
コットン〜リネン〜!なスタイルを標榜する
ナチュラル女子が結婚する時、
突如、ソレとコレとはベツバラヨとでも言いたげに
「やっぱり婚約指輪はダイヤじゃなくちゃネ」
なんて目をギラつかせながら口走っていた時、
(なぜか少し、裏切られたような気持ちとともに)
やっぱりなんだかんだ言っても
女子は光りモノが好きなんだなーと思ったのを覚えている。
かくいう僕も、光りモノがけっこう好き。
といっても、宝石のことではなく、
この世の中が光っているほう!
高層ビルから見る夜景はもちろんのこと、
ディズニーランドのエレクトリカルパレードもラブ。
これを見たいがためだけに、
わざわざ夜間チケットを買って(しかもひとりで)入り
グスリ涙したことがあるほどである(暗い?)。
さらに、たとえば雨が降って、
濡れた道に反射して滲み流れるネオンを
切ない音楽でも聴きながら、ボーッと眺めるのも至福。
ゆえにこの季節も、まんざら嫌いではなかったりする。
雨がもたらすキラキラは、
華やかさというよりも、
そこに僕の大好きな、切なさを感じてしまうから。
ということで今の時期、僕のiPodシャッフルくんには
(前代のiPod nanoくんは、車に引かれてご臨終。オロロン)
いつそんな状況に出くわしてもいいように
あらかじめ、雨に似合う切ない音楽しか入っていない。
その中から、今回は邦楽を紹介することにしよう。 |
大橋トリオ。
トリオといいつつ、本当はソロらしいのだけど、
アルバム「A BIRD」に入っている曲はどれも
ソロッとトリ肌が立つほどサイコー!
「はっぴいえんど」や「サニーデイ・サービス」など
古き良きジャパニーズフォーク的系譜でありつつ、
ところどころジャズっぽい匂いもあったり、
インディペンデント系の海外アーティストの風情もあったり、
と、とらえどころはないけれど、
僕の心はがっちり、とらえられちゃった。
なのでもちろん、
今流行の(?)サビにいくにつれ髪の毛を振り乱し、
取り憑かれたように声を張り上げる抑揚系ではなく、
リズムは淡々としていて、ほんのりあたたかでスモーキー、
声はコーヒーババロアよろしく、穏やかでほろ苦くてスムース、
そして、キラキラと輝く雨のしずくを思わせる
リリカルな輝きにみちみちている。 |
これだけたくさんの人に愛されているのに、
いつも、自分だけが聴いていると錯覚してしまう音楽がある。
僕にとって原田郁子がそうかもしれない。
すっかりおなじみのアーティストさんだと思うので、
音楽的な説明はあえて割愛させてもらい、
とても個人的なことを書くと。
「銀河」という、
忌野清志郎さんが再闘病生活に入る直前に
書き下ろしたという曲を最初に聴いたとき、
とても不思議な体験をした。
ふわっと、自分の身体が宙に浮き、
うすい膜のようなもので覆われ、
心の奥底の、とろとろとした琴線に、
指をふれられるかふれられないか、
息を吹きかけられるか吹きかけられないか、
その間を、ゆらゆらたゆたい、
さまよっている感じになった。
やるならひと思いにやっちゃって!という気持ちと、
このままそっとしておいて!という気持ちがないまぜになり、
どうしようもなく、くぅっとなったのだ。
それを雨の日、
山手線の電車の窓にオデコをひっつけながら聴くと、
さらに強力なエモーションが
くぅっと押し寄せてくることに、この間気付いた。
それから、電車に乗るたび雨が降らないかなーと
心待ちにしている次第。 |
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