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手作りの雑貨的なリトルプレスから商業出版まで、カフェや雑貨、デザイン、暮らしまわりの本や雑誌の、編集と執筆を中心に活動。近刊として、旅のささやかで美しい瞬間を写真と文章で切り取った小さな本『Beautiful Moments』を自身の出版レーベルBOOKLUCK PUBLISHING roomよりリリース。
www.bookluck.jp |




まったくもってイカンでイカンのだが
最近とみに「ヤマムラさんって、草食系ですよねー」
なんて、ビックリすることをいわれることがある。
そもそもアレは20代男子のことを指すワケで、
その割にボクはトシを食いすぎていることを指摘すると
「じゃあ、元祖・草食系で」なんて、
さらにありがたくない称号がついたりして。
ただ、それに対してあまり気の効いた面白いこともいえず、
「意外とそんなこともないですよ。ふふ」
なんて返すのがせいいっぱい。どうしたんだオレ?って感じ。
もしかして……傷ついてる?(←そこが草食的)。
ひとりになって、あらためて考える。
やっぱりボクって、草食系男子なんだろうか。
ちなみに大阪府立大学教授で『草食系男子の恋愛学』の
著者である森岡正博氏によると、その定義は
「心が優しく、男らしさに縛られておらず、恋愛にガツガツせず、
傷ついたり傷つけたりすることが苦手な男子のこと」
とある。うーん、そうのようなそうでもないような
ますます分からなくなって来た。 |
そんな悩めるボクにぴったりの映画を観る機会があった。
「(500)日のサマー」。
運命の恋を夢見る草食系男子トムと、
真実の愛なんて信じない女子サマーの
今的なセンスに溢れた、ズッキンドッキンなハイカララブコメだ。
ここでみなさんの期待に応えるのならば、
トムに共感して思わず泣いちまったぜ、オロロン、
みたいなことなのかもしれないが、
別にそんなこともなく、たんたんと楽しく鑑賞した。
一瞬「これ、ヒミツにしておいたほうがいい?」……なんて、
知らぬ間に築いていた“自分らしさ”の檻の中で
もがいちゃってるボクがいたけれど(←ミスチル風)。
むしろそれよりも、脚本と演出が面白くて、
そっちのほうに目と胸がボヨヨーンと(なんでやねん)
くぎ付けになってしまっていた。
とりわけ音楽との絡みは、まさに好みドンピシャリ!
観ている最中から、これサントラホシすぎーって
ずっと、くぅっとしてたくらい。 |
特にトムが運命の恋に落ちるシーンなんて、サイコーだ。
会社帰りのエレベーターの中。
さっそくヘッドフォンを装着し、音楽を聴いているトムに、
かねてから気になる女子だったサマーが偶然、乗り合わせ、
隣から「私も好きなバンドよ」なんてささやかれた日にゃー!
しかもそのバンドが「ザ・スミス」なんて!!!
超ハマりすぎで、思わずニヤリとしてしまった。
80〜90年代に青春時代を過ごした
卑屈な文学好きの文化系男子ならば、
きっと少なからず影響を受けているであろうザ・スミス。
もちろん、ボクもしかり。
そう、ボクは当時、
ヒットチャートに昇るようなメジャーなポップスにも、
マッチョでヘヴィーなロックンロールにもハマれず、
どこかしら違和感を覚えていた。
だけど、それをみんなにいうことができずモンモンとしていた。
今でこそ通じると思うのだが、
ホントはマイケル・ジャクソンのことを
ぜんぜん好きじゃなくて
「THIS IS IT」なんて観る気もさらさらないわっ!
みたいなことを、でも時代の空気的に、
なんとなくいえないでいる、みたいな感じに近いだろうか。
(我ながらいいたとえ) |
そういう意味でザ・スミスは
まるでくよくよとひねくれた自分の価値観を
「それで、ええんやでー。オレらがおるやんけー」
と肯定してくれたような、救世主的な存在だったのだ。
だからあのエレベーターのシーンで
ただ音楽の趣味が合うっていうだけでなく
「ビビビ感」をトムが受けたのも、さもありなんことってワケ。
そう考えれば、草食系男子という言葉も、
該当する本人たちからすればはた迷惑に違いない!と
思い込んでいたけれど、存在を肯定しているという意味では
彼らもその実、まんざらでもないのかもしれない。
ちなみに、ボクはそれから自分協議の結果、
モンゴルかどこかの少数民族よろしく、ふだんは草食でも、
ここ一番の時はヒツジとかウシとかを丸焼きにしてかぶりつく
「草食ときどき肉食系男子」キャラで行く!
ということに決まった。
決まったから何?って聞かないでね、お願いだから。 |
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